指先寓話 老人だけの国

指先寓話

COVID-22は突然変異した。
全ては予定調和で終わる予定だった。
高齢者や基礎疾患が有るもの以外には恐れるに足りないウィルスだった。
多くの若者は罹患しても無症状であり、『いつものように』ワクチンを開発して、『いつもの順番』で接種すれば良いだけだと皆が思っていた。

若者は無症状でも高齢者に感染させる恐れがあるため、ワクチンは急スピードで開発された。
そして、まずは医療者へ、次は高齢者とその介護士へとワクチンを接種させる。。。過去の経験を活かして。

しかし、COVID-22は今までのウィルスと違っていた。
急ぎ作ったワクチンを医療者と、高齢者と、介護士に打った後に大きく毒性を変化させたのだ。
バタバタと若者が死んでいった。まずは経済のために三密を気にしなかったものから。
満員電車の中で急性心筋梗塞で死ぬものもいた。全てはCOVID-22のせいだ。
若者にとって罹患しても無症状なウィルスから、潜伏期間を経て急性憎悪をするウィルスと変化したのだ。

ただ、ワクチンを接種した者だけが違った。軽い発熱を伴うだけで変化したウィルスに罹患しても死ぬことが無かった。
世界中で若者より高齢者を優先してワクチンを接種させたことを問題視するデモが起きた。
しかし、そのデモがまた変異したウィルスの拡散装置となった。

また、ウィルスは空気感染出来るようになり、ウィルス付着物のウィルス残存率も高くなった。
ワクチンを打たなかったものは、ワクチン反対論者も、経済優先論者も、子供も赤ん坊も容赦なく死んでいった。

火葬も間に合わず、搬送も間に合わず、街には死体が溢れた。

こうして、この国は高齢者と、医療者と、介護士だけの国になった。

高齢者は農業を含めた生産に回され、医療者と介護士は人類が生き残るための『繁殖』に回された。

多くの国の経済と社会は破綻した。
高齢化率の低い国から順番に。

若者からワクチンを打つべきだと語る者は段々少なくなっていった。
みんな知っているのだ、ウィルスが変異する前には若者にとって自分たちが邪魔にされたいたことを。

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